Salesforceバージョンアップとは?備えるポイントや手順について解説

Salesforceバージョンアップアイキャッチ

Salesforce バージョンアップという言葉を聞いたことはありますか?Salesforceに携わる方なら一度は耳にしたことがあると思います。

Salesforceを運用している管理者や開発者は、バージョンアップの内容を事前に把握し、当日に備えることが必要とされます。
そこで本記事では、メジャーバージョンアップについてや、準備しておくべきことについて解説していきます。

目次

Salesforceバージョンアップとは?

Salesforceでは1年に3回のサイクルでバージョンアップが実施され、新機能の追加や機能改修が行われます。

バージョン名は「Summer’22」 「Winter’23」 「Spring’23」のように表記されます。
Summerは6月頃、Winterは10月頃、Springは2月頃にアップデートが実施されます。

表:バージョン名とバージョンアップ日の例

Salesforce バージョンアップ日

また、バージョンアップの度には「リリースノート」というものが発表されます。
リリースノートの内容には、機能の改修や廃止といった情報や、リリースのスケジュールなど、重要な情報が記載されています。

アップデート日を迎えた時にUIが崩れた」「開発画面が動かなくなったといったトラブルを防ぐためにも、開発者や管理者は事前にアップデートを把握し、影響調査を実施することが求められます。

バージョンアップに向けた備えのポイント

ではバージョンアップに備えるための3つのポイントをご紹介します。

スケジュールを確認

リリース告知後、公式サイトからスケジュールが公開され、リリース日だけではなく、アップデートに関する様々な日程が公開されます。

・参考:Spring’23のスケジュール

例えば、リリース当日までには「Sandboxプレビュー」というものが実施されます。
開始されると、Sandboxでリリース予定の機能を事前に検証することができますが、参加・不参加を決定するために、事前にユーザ側での準備が必要であることに注意してください。

バージョンアップ告知後、Sandbox環境でプレビューを行うか決定し、公式のプレビュー手順に従い環境の準備を行ってください。

図:Spring’23スケジュール例

テストに向けて計画を立てる

バージョンアップのテストを行うまで、大まかに以下のような手順で準備を行います。

1.リリースノートを斜め読み

ノートの内容は基本的にボリュームがあるため、全体的な概要や要点を把握します。

2.リリースノートからテスト観点を抽出

運用環境に影響があるリリース内容を確認し、観点を整理します。

3.テスト対象の機能を抽出

プロジェクトや、運用環境で使っている各機能に対して、テストを行う機能を決めます。

4.テスト実行&結果確認

テストの結果、NGが発生した場合は原因がアップデート起因なのか・否か切り分けを行いましょう。
原因がアップデート起因である場合は、「Salesforce Known Issues(※)サイトで既知の問題を確認確認しサポート問合せます。

リリース内容によってはテスト対象とする機能が多い場合もあります。その場合は、類似の機能に関しては対象外とする等、最低限のテスト項目で済ますことも重要です

実際には、頻繁に実施されるアップデートの度に、余裕をもった工数を確保して対処することが難しい場合がほとんどです。ある程度のテスト品質を保ちつつ効率的なテスト計画を立てることがポイントになります。

※補足:「Salesforce Known Issues」とはSalesforceが把握している問題が掲載されたサイト。問題の「Summary(概要)」「Steps to Reproduce(再現手順)」「Workaround(回避策)」を確認できます。

Sandboxの準備

前述のスケジュールを確認にて「Sandboxプレビュー」について触れましたが、プレビュー実施する場合環境の数は、少なくとも2つ準備することが望ましいです。

①プレビュー用Sandbox
②未プレビューSandbox

理由としては、以下の2つがあげられます。
・バージョンアップ前後の動作比較に使用するため
(前述の「4.テスト実行&結果確認」の際に、テストNGの原因を分析するためにも活用できます)
・Sandboxから本番環境へ資材リリースを行う場合、バージョン違いがあると失敗する可能性があるため。

また、プレビューを実施するSandbox種類にも留意しましょう。

種類ごとにリフレッシュ期間・作成上限数が異なるため、用途や目的に応じてSandbox種別を選ぶことが重要です。

表:Sandbox種別ごとのメリット・デメリット

バージョンアップ準備の効率化には「計画」が重要

今回は Salesforce のメジャーバージョンアップの対応方法について解説を行いました。

一年に3回、毎年実施されるアップデートに対して、あらかじめスケジュールを確認し、リリース計画を立てて効率的に対処を行うことが重要です。
担当ベンダーがいる場合は相談し、バージョンアップに向けた進め方を議論しましょう。

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