SWTT2023レポート 第1回:基調講演「Calling all TrAllbiazers  ~ AI、データとCRMがビジネスの未来を創る。」

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2023年7月20日(木)、21日(金)の2日間、ザ・プリンスパ-クタワー東京において、セールスフォース・ジャパン社が主催するイベント「Salesforce World Tour Tokyo 2023」が開催されました。
弊社SUGoはSalesforceビジネス専業のコンサルティングパートナーであり、本イベントはSalesforceの最新情報を肌で感じられるため、毎年注目しているイベントです。

本サイトでは、基調講演をはじめ注目のセッションについて、数回にわたりレポートしていきます。
第1回は、基調講演「Calling all TrAllbiazers  ~ AI、データとCRMがビジネスの未来を創る。」の模様をお届けいたします。

目次

「Salesforce World Tour Tokyo 2023」のテーマ

基調講演の始まりを告げる冒頭の動画は、クラウド、モバイル、ソーシャル、AIといったイノベーションの歩みを振り返り、その進化がビジネスの未来を創るというメッセージを強く印象付けました。

セールスフォース・ジャパン小出社長によるスピーチでは、「生成AIが生み出すイノベーションを、信頼できるテクノロジーモデルで提供して、顧客接点を新しい形に変革する」という力強い言葉とともに、AIファーストを実現するために「イノベーション」と「信頼性」が重要であるとのメッセージが強調されました。

テクノロジーの進化とビジネスの歴史

イノベーション

Salesforceは2014年からSalesforce Einsteinを通じて企業向けAIの可能性を切り開いてきました。そして今、生成AIが台頭し、ビジネスの風景を大胆に変容させています。ChatGPTが新たに登場し、日々のニュースを賑わせている現状を見ても、皆様自身が目の当たりにしているとおり、イノベーションの波が確実に私たちの足元まで押し寄せてきていることを体感しているでしょう。

信頼性

しかし、企業データや顧客データのプライバシーとセキュリティをどう守るか、という問題が大きな課題となっています。この解決のために、Salesforceは6月にAI Cloudを発表しました。これは「企業が利用する安全性を組み込んだEinstein GPT Trust Layer」「顧客データを集約するData Cloud」「世界No.1のCRM」を統合した機能群です。

特に注目すべきは「Einstein GPT Trust Layer」です。これは、企業データや顧客データのプライバシーとセキュリティを保全する一方で、生成AIのメリットを活用できるよう設計されています。

「Einstein GPT Trust Layer」概要

AI Cloudの優れた特性としては、汎用的な支援に留まる一般的な生成AIと異なり、Data Cloudの情報を取り入れたカスタマイズされた支援が可能という点が挙げられます。さらに、「Einstein GPT Trust Layer」は、生成AIに読み込ませたくないデータを保護する制御機能や、生成された内容が有害でないかを監査する機能を含んでいます。
これらの機能を活用することで、企業データや顧客データのプライバシーとセキュリティを維持しつつ、生成AIの利点を享受することが可能となるのです。

「Einstein GPT Trust Layer」の仕組み

デモンストレーション

セッションでは、Sales Cloud、Service Cloud、SlackにおけるEinstein GPTの具体的な支援例がデモンストレーションとして紹介されました。

Sales Cloudにおいては、Einstein GPTは顧客特有のニーズに対応したメールの提案を作成したり、Web会議の映像から議事録を自動生成(文字起こし、要約(ミーティングの目的、次のステップの明記等))したりする機能がありました。その精度は確認が必要ですが、効率化と営業品質の向上の双方に対して大いに期待が寄せられます。

Einstein GPTがCRMの情報も活用してメール案を生成
Einstein GPTがWeb会議の議事録を生成

Service Cloudでは、従来Einsteinが提供していた問い合わせに対する推奨応答(ネクストベストアクション)の機能に加え、Einstein GPTによるケース対応の要約生成機能が紹介されました。これらの要約をナレッジとして社内で共有することにより、サポート品質の改善が見込まれます。

Slackでは、お客様とのコミュニケーションやData Cloudから得た情報を元にしたSlack Canvas上での提案コンテンツの生成、さらには会議(ハドル)の要約の生成などの機能が提示されました。
メール、クラウド、スマートフォン、ソーシャルメディアがビジネスの風景を一新したのと同じように、AIが今後ビジネスを変革することは確実であると感じさせる、非常に有益な内容でした。

感想

Salesforceが今後3ヶ月間で16の生成AIの機能をリリース予定とのことで、このスピード感が素晴らしいと感じました。AIの活用は省力化だけでなく、新たな示唆を与える可能性があり、使いこなしている人とそうでない人との間には大きな差が開くでしょう。それゆえに、来るべきAI時代に備えるべく、データの集約とAI活用へのチャレンジが急がれます。

弊社SUGoでは、お客様がSalesforceを最大限に活用できるよう支援する立場として、生成AIを業務にどのように役立てるのかについて、早急に知見を深めていきます。

2回目以降のレポートもお楽しみに!


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