SWTT2023レポート 第4回:「BtoB Marketing 基調講演: 顧客の期待を超える マーケティング & セールス」
2023年7月20日(木)、21日(金)の2日間、ザ・プリンスパ-クタワー東京において、セールスフォース・ジャパン社が主催するイベント「Salesforce World Tour Tokyo 2023」が開催されました。
弊社SUGoはSalesforceビジネス専業のコンサルティングパートナーであり、本イベントはSalesforceの最新情報を肌で感じられるため、毎年注目しているイベントです。
本サイトでは、基調講演をはじめ注目のセッションについて、数回にわたりレポートしていきます。
第4回は、「BtoB Marketing 基調講演: 顧客の期待を超える マーケティング & セールス」の模様をお届けいたします。
マーケティングと営業のあるべき姿
貴社のマーケティングと営業部門は、”同じ目線”でお客様と向き合っていらっしゃいますでしょうか?
この統一された目線が欠けると、期待値が高まっているお客様への適切な情報提供や、一体感のある体験の提供が困難になることがあります。皆さま自身がお客様の立場でそのような経験をされたことはないでしょうか?
マーケティングと営業部門の連携が不足している場合、その影響は我々が考える以上に深刻かもしれません。
この問題への解決策として、マーケティングと営業部門がどのようにして”同じ目線”を持った活動ができるのか、それが本セッションの論点となります。
「マーケティングDX」お取組み事例
大日本印刷社はSalesforceユーザーとして、2019年からマーケティングプラットフォームの刷新を進めています。テクノロジーの進化、購買プロセスの変化、受注モデルからの脱却などの背景から、デジタル技術を活用したマーケティングプロセス実現による営業生産性の向上を目指しています。
「マーケティングDX」の具体的な取り組みは以下の通りです。
- 方針/戦略の策定
事業戦略と計画に基づき、売り先や売り方、製品の提供価値を明確にし、関係者全体で同じ目線で取り組むことが重要です。 - シナリオの構築
製品企画部門、マーケティング部門、営業部門が連携して、顧客起点でのコミュニケーションシナリオを作り上げます。 - 施策の実行、フィードバック・改善
実施した施策に対してデータを用いた振り返り・改善を定期的に行い、それを粘り強く継続することが成功への鍵だと考えています。
本取り組みの中で、イベントやセミナー申し込み、リードデータ管理、アンケート等の個別システムを統合し、Salesforceでの集約化を図りました。
データを集約することで、顧客やリードデータの分析が容易になり、業種・企業規模・役職・部署ごとのセグメント化やMQL数、SQL数、案件数、受注数のダッシュボード管理を可能にしました。
結果として、2020年と2022年の比較では、顧客接点が確実に増加していることが報告されており、大日本印刷社の取り組みは、マーケティングプロセス全体の変革として効果を発揮していると言えるでしょう。
デモンストレーション
後半のセッションでは、セールスフォース・ジャパン社からのデモが披露されました。
マーケティング部門向けデモ
まず、マーケティング部門向けのデモンストレーションが紹介されました。
特に注目すべきは、自動化シナリオと外部アクションの組み合わせです。
この機能は、セミナー集客からそのフォロー業務を自動化し、作業の抜け漏れ防止と担当者の生産性向上を可能にします。
例えば、参加者へのお礼メールの自動化や、注力企業の参加者がいた場合のインサイドセールス担当へのリアルタイムSlack通知など、マーケティングと営業のシームレスな連携が実現されています。
さらに、B2B Marketing Analyticsによる分析も紹介されました。
売上に寄与する施策の検討には、過去の施策実績の分析と改善サイクルが欠かせません。紹介されたダッシュボードでは、新規リード獲得から商談成立、受注までの一貫分析、受注に寄与した取り組みの可視化などが可能です。
SFAとマーケティングオートメーションがワンプラットフォームで統合されているため、このような分析が非常に簡単に行えるようになっています。
営業部門向けデモ
次に紹介されたのは、営業部門向けのデモンストレーションです。
「ホットリードを逃さずキャッチ」という部分では、SFAとマーケティングオートメーションの一体化が実現されています。
営業が見込客対応時に、リアルタイムでAIによるリードスコアリングや閲覧履歴などを確認し、個別のアプローチが可能になります。
次に、「AIを活用した顧客アプローチ」が紹介されました。
マーケティングオートメーションとCRMで蓄積されたデータがAIにより分析され、企業ごとの製品興味や取引開始可能性などが明らかにされます。
特に注目すべきは、Einsteinによる取引開始可能性の高い企業の判断です。
CRMとマーケティングオートメーションのデータを統合し、過去の商談、営業活動、Web行動などを基に機械学習。それにより、企業がAからDにランク付けされています。
感想
マーケティングと営業部門がどのようにして”同じ目線”を持った活動ができるのか。
戦略的、組織的な取り組み、それを実現するためのテクノロジー。今後AIを活用していく上でも、マーケティングオートメーションとSFAがワンプラットフォームであることは、とても重要ではないかと感じる内容でした。
弊社SUGoでは、お客様がSalesforceを最大限に活用できるよう支援する立場として、生成AIを業務にどのように役立てるのかについて、早急に知見を深めていきます。
5回目以降のレポートもお楽しみに!
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